「決定した事実はありません」から読み解く適時開示入門
「決定した事実はありません」からどこまで推測できる
企業の合併や買収、売却報道がなされると、「現時点で決定した事実はありません。」という適時開示がよくなされます。木で鼻をくくったような開示です。12月2o日付の日経新聞で「出光、昭和シェルと買収へ交渉」という報道がされました。何となく、報道通りに交渉中で買収が決定されるのだろうなという推測はできます。
出光側も昭和シェル側も「決定した事実はありません」という適時開示しかなされていませんが、これを強い推測にする注目すべき適時開示が出光からなされています。
推測を強い推測にするには?
一方で出光から注目すべき適時開示が同時になされています。
本日、一部報道機関により、当社と東燃ゼネラル石油株式会社に関する報道がありました。当社は、事業再編に関して幅広く検討しておりますが、東燃ゼネラル石油株式会社との具体的な交渉の事実はありません。
いかがですか?昭和シェルとの交渉については「決済した事実はありません」と否定しなかったのに、東燃ゼネラル石油との報道については、「具体的な交渉の事実はありません」と明確に否定しています。
適時開示の読み方とは?
適時開示には買収や合併報道以外にも様々なものがなされています。企業決算も決算短信として適時開示されますし、業績予想修正も適時開示でなされます。適時開示も一つだけをみるのではなく、複数の情報を組み合わせることによって、意外な事実が分かるものです。
【参考にした適時開示】
出光側の適時開示
1.https://www.release.tdnet.info/inbs/140120141220096762.pdf
2.https://www.release.tdnet.info/inbs/140120141220096789.pdf
昭和シェルの適時開示
3.https://www.release.tdnet.info/inbs/140120141220096760.pdf
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2014年12月22日 | コメントは受け付けていません。 |
カテゴリー:金融