「監査業務と不正等に関する実態調査」の公表について 公認会計士協会
公認会計士協会が本日「監査業務と不正等に関する実態調査」を公表
注目すべき回答はいくつかあります。
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(1)約半数が不正等に遭遇した経験があると回答
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(2)不正の内容は横領等の不正が約3割、財務諸表の虚偽表示をもたらす会計処理についてが約4割と合わせて約7割を占める。
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(3)約4割は監査手続中に発見した
その他、不正の手法についても記載されてます。
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2014年5月23日 | コメントは受け付けていません。 |
カテゴリー:監査
公認会計士が食品偽装を発見する方法
食品偽装について、連日にわたる報道がなされてます。
企業はお客様の信用第一だと私は考えます。
お客様の信用を裏切る食品偽装は決して許される行為ではありません。
かつての雪印が良い例でしょう。
では、食品偽装を未然に防ぐ方法はないのでしょうか?
最も簡単な方法は、企業活動全ての取引や行為について別担当者による確認です。
別担当者による確認では組織的な不正がない限り、食品偽装、不正や
あらゆる意図しない誤りも防げるでしょう。
しかし、すべての行為について別担当者による確認は、コストがかかりすぎます。
また企業活動が非効率になります。
利益を目的とする企業にとっては、利益を得るためにコストをかける。
本末転倒な話です。
では、本当に食品偽装を防ぐ方法はないのでしょうか?
100%防ぐことは難しいかもしれません。
しかし、食品偽装に防ぐ可能性を少しでもあげることはできます。
公認会計士の立場からすると原価管理・管理会計の考え方を利用することで
食品偽装を発見することは可能です。
ここでは、原価管理とは何か?管理会計とは何か?
という詳しい説明はここでは省きます。
全ての企業活動や企業取引は最後にはお金が絡んできます。
無駄な会議も給料や残業代という形で最後にはお金が動きます。
大企業なら、価額を設定して原価がどの程度かかるから、利益は●●円だ。
と、計算しているはずです。
原価以下の値段でお客様に販売する企業はセールを除いたらまず無いでしょう。
赤字ならば、いつかは会社は潰れますから。
今回の一連の食品偽装はエビに関するものが多い気がします。
エビも高級な車エビや伊勢エビと普通のブラックタイガーなら原価が異なるのは
素人でも分かります。
管理会計や原価計算を少しでも勉強すれば、商品はいくつ売れて、利益予想もお
おまかに立てられるでしょう。
他の車エビに関する商品の原価を比較すれば、おかしいことは直ぐに気が付くで
しょう。
不正を発見する公認会計士のテクニックを1つお伝えしましよう。
ある会社の東北工場で不正が行われているのを公認会計士が発見しました。
どのように発見したかというと、他の工場と比較して
売上高に対する在庫の回転が異常値を示したんです。
具体的な説明は避けますが、
(1)他の似たような対象と比較すること
(2)異常がないことを確認すること
このような手続きを公認会計士は分析的手続と言います。
食品偽装したと公表した企業は、たいていは大企業ですから
内部監査部門がある組織でしょう。
少しでも、管理会計が分かった人が内部監査部門にいれば、
食品偽装に気がついたかもしれませんね。
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余談で、税務調査にも分析的手続は使われてます。
例えば、飲食店なら売上高に対する水道光熱費の割合は一定の範囲内に
収まります。売上高が少ないのに、水道光熱費が高いと
税務署は売上を抜いてると疑います。
もちろん、まっとうな商売しているケースもあります。
あくまでも疑われて内偵調査される可能性があがるんですよ。
食品偽装と同じで脱税なんてしない方がいいですよ。
税務署に発見されると思った方がいいです。
(1)不正はいつかは分かってしまう
(2)不正発見のコツは、比較と分析