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含み損を銀行はどのように評価するか?

銀行は中小企業の決算書を信用してない!



銀行は企業から提出された財務諸表をもとに、実態財務諸表に書き換えて評価しています。つまり、企業の決算日での時価評価です。具体的には、紙くず同然のゴルフ会員権は実質ゼロ円の評価ですし、塩漬けの土地ならば、不動産鑑定士の鑑定書や近隣不動産の売買事例なども参考にして評価します。つまり財務諸表上で、簿価1億円の土地も、銀行は1千万円でしか評価しないというケースはよくあるのです。つまり、簿価の資産価値を実態価格に置き換えて評価します。

同じく棚卸資産も同様です。在庫をかかえたまま、実質的に商品価値のないものはゼロ円とみなします。


減価償却してない固定資産はどうみるの?



最近は少なくなりましたが、銀行へ提出する資料を少しでもよく見せるために、決算時に減価償却を行わない企業もあります。
銀行はしっかり減価償却金額を推定して、推定後の貸借対照表と損益計算書で評価しています。減価償却したら赤字だからと言って、減価償却しないのは意味が全くありません。


銀行員が最もおそれていること



それは経営者の隠し事です。銀行が資金回収に走るのではないか?という不安から、銀行に隠し事をする経営者が多いものです。財務状況が悪くなる前にぜひ一度銀行に相談してみてください。返済金額の見直しや利息減免などに応じてくれる場合があります。ただし、経営が苦しいから利息をまけてください。これはダメです。今後は事業計画書を作成して、利益を上向きになるように頑張りますと示すことが必要です。事業計画書がないと、銀行員も上司・支店長に説明できませんから。もちろん、事業計画書は実行可能かつ実現可能な計画書である必要があります。絵に描いた餅では、銀行員を説得することはできないのです。



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2014年10月15日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:金融

税理士が金融機関に営業に行くヒントは融モニタリング基本方針にあった

金融庁は税理士に期待している




金融庁は9月11日に「平成26事務年度 金融モニタリング基本方針(監督・検査基本方針)」を公表しました。

その一節に次の記載があります。

2-1 金融仲介機能の発揮
(1)産業の新陳代謝・経済の成長を支える成長資金の供給
① 取引先企業の適切な評価、解決策の提案及び実行支援
(中略)
中小企業については、地域経済の活性化及び地域における金融の円滑化などの観点から、(ⅰ)企業の状況に応じて、円滑な資金供給や貸付けの条件の変更等に努めているか、(ⅱ)経営者保証に関するガイドラインの活用や本年3月の銀行法施行規則改正の趣旨も踏まえたリスクマネーの提供等、適切な対応を行うことができる態勢を整備しているか、(ⅲ)借手企業が経営課題を認識した上で、経営改善、事業再生等に向けて自助努力できるよう、必要に応じ、外部専門家や外部機関等と連携を図りながら、財務面のアドバイスに留まらない、積極的なコンサルティング機能を発揮しているか、(ⅳ)その他国際的・業態横断的な業務展開を通じた知見に基づく、中小企業の成長・再生の支援に向けた積極的な取組みが行われているか、検証する。

(太字は筆者)



かつての金融モニタリング基本方針には「外部専門家」という語句はありませんでした。外部専門家とは「税理士や中小企業診断士等」という形で具体的に列挙されてた時期もありますが、外部専門家は弁護士や公認会計士も入ると私は解釈しています。外部専門家を具体的に列挙すとる際限がなくなるから、金融庁も外部専門家という形の表現にしたのでしょう。

話を元に戻します。銀行の内部のリソース(資源)だけでは企業再生は難しい時代になってきたと私は思っています。バブル崩壊直後は、企業倒産などが少なく銀行員が事業再生計画を作成して、実行までモニタリングしてという時代もありました。これは、企業が倒産や業績悪化の件数が少なかったから、銀行自身で対応できたのです。ところが今は時代が違い、倒産や業績悪化の企業が増えてきている現実があります。



外部専門家に頼る理由


業績悪化の件数が増え、事案も複雑化しています。銀行自身も貸出先の倒産は良いとは思っていません。しかし、銀行内部の経営資源には限界がある。そこで、税理士などの外部専門家の登場となる訳です。もちろん全ての税理士が事業計画書を作成できる訳ではありません。計画だけでは意味がなく、実行して業績悪化の企業を再生する・立ち直せるのが目的です。かつては不採算部門の売却や撤退だけでも何とかなりました。今は、不採算部門から撤退し、本業に注力するだけではなく、営業先の確保。資金繰りなど実行可能な事業計画書がないと再生は難しいと感じています。


外部専門家を利用する銀行のメリット



一方銀行側にも税理士に頼るメリットがあります。事業計画の実行まで面倒をみてくれるなら、銀行としては計画通りに遂行しているかモニタリングすれば良いだけになります。銀行にとってはモニタリングだけでも、大変な作業です。なにせ業績悪化の企業が多いのですから。
外部環境の変化で急に資金繰りに困ったとか販売先の倒産、貸し倒れ金額が一気に増加したなど、経営者の責任とは必ずしも言いがたい業績悪化のケースもあります。そのようなケースで、追加融資さえあれば立ち直れるケースもたくさんあります。ただし、銀行員や支店長を納得させる事業計画書を作成し、実現しなければなりません。つまり、誰もが納得できる事業計画書を作成しなければなりません。

では、具体的にどのような事業計画書を作成すれば良いのかは、別に機会にします。





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2014年9月19日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:経営計画

銀行は提出された事業計画をどう評価するか?~DCFディスカウントキャッシュフロー法

銀行はどのような事業計画を評価するか?

銀行に融資をお願いする時に、必ずと言っていいほど提出が求められるのが「事業計画書」です。では、銀行は事業計画書をどのように評価するのでしょうか?

日本公認会計士協会から次のような留意事項が公表されています。
「銀行等金融機関において貸倒引当金の計上方法としてキャッシュ・フロー見積法(DCF法)が採用されている場合の監査上の留意事項」
平成15年2月24日公表で11年前のものですが、今でも活用されてます。

次のように書かれてます。

再建計画等に基づく将来キャッシュ・フローの見積り
貸出条件の緩和は、債務者における再建計画等に基づいて実施される場合が多いが、再建計画等が合理的で十分に達成が可能であると認められる前提、仮定及びシナリオに基づいたものであれば、原則として合理的なキャッシュ・フローの見積りであると考えられる。しかし、長期の再建計画等は、合理的で十分に達成が可能であると認められる場合であっても、本質的に不確実性が高いことから、キャッシュ・フローの見積りの妥当性についてはより慎重な判断を要する。したがって、長期に亘る将来のキャッシュ・フローの見積りについては、合理的かつ客観的な証拠に基づく明確な反証がない限り、キャッシュ・フローの見積りに対して必要な調整(注)を行い、将来の不確実性を反映させる必要がある。
(注)本報告書におけるキャッシュ・フローの見積りに対する必要な調整とは、将来キャッシュ・フローの減額、将来キャッシュ・フロー見積期間の短縮、複数シナリオの設定、各シナリオの発生確率やシナリオの内容自体について不確実性の度合いを合理的かつ客観的な証拠に基づき反映させること等を意味する。

長くて分かりにくい文章ですね。簡単に説明すると、銀行は、事業計画書の妥当性を審査しなさい。また現在のお金の価値と将来のお金の価値は異なるので、その点も考慮(ディスカウントキャッシュフローDCF)しなさいということですね。

今の100円と50年前、1960年の100円の価値は当然違います。だから、今の100円と10年後の100円は違うから、考慮に入れてください。ということです。

特に債務超過。銀行の自己査定区分で要注意先や破綻懸念先となってる場合にはより慎重に銀行は事業計画書を評価することになります。

税理士向けにディスカウントキャッシュフローについて説明したDVDが税務研究会から発売されています。
DVDについて、目次やサンプル動画もあります。こちらからどうぞ。

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2014年5月23日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:経営計画

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