イメージ画像

銀行は業績好調な企業にも融資したがる訳ではない理由

担保があって、財務状況が良くても銀行が融資しないこともある

多くの企業がお世話になる銀行。借り入れするならまず銀行が頭に思い浮かぶでしょう。担保があっても、手許現金・預金が多ければ、業績好調でなくても、黒字であれば、通常は融資してくれるはずです。ところが、金融庁が7月4日にモニタリングレポートという注目すべきレポートを公表しています。


金融モニタリングレポートでは、銀行の限界についての記載が!!

レポートの32ページ目に次の記載があります。

全国的な人口減少に伴う貸出規模の縮小が予想される中で、こうした貸出の量的拡大といったビジネスモデルは、全体としては中長期的に成立しない可能性がある。

つまり、銀行は融資して銀行の業績を伸ばしたいけれど、日本経済の将来的な縮小を考えれば、量的拡大(融資拡大)が必ずしも銀行業務として適切とは言えないということです。



では、銀行の将来方針は?どうなの?将来融資してくれないの?

同じモニタリングの概要(10ページ目)では、次の通り記載されています。

銀行は、①事業環境が変化する中で、企業にとって真に有益なアドバイスや、②企業の適切な戦略に適った融資を行うことが期待される。



そして、取り組み例として、2つ事例が記載されてます。




(事例①)
(地域等によっては)スーパーなどの小売業は、事業規模の拡大が収益率の向上に必ずしもつながらない。営業効率を踏まえない売上の追求や営業エリアの拡大よりも、各店舗の採算管理が重要。
⇒ 営業エリア拡大のための融資よりも、エリア戦略の転換や販売商品の絞込みといった事業再構築の提案とそれに伴う資金ニーズへの対応。
(事例②)
(地域等によっては)繊維関係の製造業者では、小売業者側が価格支配力を有しているため、自ら販売も手がける戦略に転換。
⇒ 販売店舗毎の採算管理や売れ筋商品についての情報管理に必要なIT関連投資等のための融資提案。



どんな優れた商品を作っても、買ってくれる(需要)は将来減ってしまいます。これは日本の人口が減少するにつれ、仕方のない方法です。だから、他店舗展開を必ずしも銀行が将来にわたって勧める訳ではない、積極融資を必ずしもする訳ではないと思います。

でも企業としては利益を上げ続けなければならない。そこで、売上はさほど増えなくても、利益率を改善して、利益を確保する方法が考えられます。



これらの事情と金融庁モニタリングレポートの内容を含め、利益率改善のための設備投資のための融資を銀行に提案するのも一つの方法です。会社規模を拡大するのは必ずしも売上を伸ばすだけが最善ではないのです。




タグ

2014年8月26日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:売上拡大 経営計画

銀行は提出された事業計画をどう評価するか?~DCFディスカウントキャッシュフロー法

銀行はどのような事業計画を評価するか?

銀行に融資をお願いする時に、必ずと言っていいほど提出が求められるのが「事業計画書」です。では、銀行は事業計画書をどのように評価するのでしょうか?

日本公認会計士協会から次のような留意事項が公表されています。
「銀行等金融機関において貸倒引当金の計上方法としてキャッシュ・フロー見積法(DCF法)が採用されている場合の監査上の留意事項」
平成15年2月24日公表で11年前のものですが、今でも活用されてます。

次のように書かれてます。

再建計画等に基づく将来キャッシュ・フローの見積り
貸出条件の緩和は、債務者における再建計画等に基づいて実施される場合が多いが、再建計画等が合理的で十分に達成が可能であると認められる前提、仮定及びシナリオに基づいたものであれば、原則として合理的なキャッシュ・フローの見積りであると考えられる。しかし、長期の再建計画等は、合理的で十分に達成が可能であると認められる場合であっても、本質的に不確実性が高いことから、キャッシュ・フローの見積りの妥当性についてはより慎重な判断を要する。したがって、長期に亘る将来のキャッシュ・フローの見積りについては、合理的かつ客観的な証拠に基づく明確な反証がない限り、キャッシュ・フローの見積りに対して必要な調整(注)を行い、将来の不確実性を反映させる必要がある。
(注)本報告書におけるキャッシュ・フローの見積りに対する必要な調整とは、将来キャッシュ・フローの減額、将来キャッシュ・フロー見積期間の短縮、複数シナリオの設定、各シナリオの発生確率やシナリオの内容自体について不確実性の度合いを合理的かつ客観的な証拠に基づき反映させること等を意味する。

長くて分かりにくい文章ですね。簡単に説明すると、銀行は、事業計画書の妥当性を審査しなさい。また現在のお金の価値と将来のお金の価値は異なるので、その点も考慮(ディスカウントキャッシュフローDCF)しなさいということですね。

今の100円と50年前、1960年の100円の価値は当然違います。だから、今の100円と10年後の100円は違うから、考慮に入れてください。ということです。

特に債務超過。銀行の自己査定区分で要注意先や破綻懸念先となってる場合にはより慎重に銀行は事業計画書を評価することになります。

税理士向けにディスカウントキャッシュフローについて説明したDVDが税務研究会から発売されています。
DVDについて、目次やサンプル動画もあります。こちらからどうぞ。

タグ

2014年5月23日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:経営計画

その部門別損益 役立っていますか?

年間売上3億円を超えると銀行から部門別損益の提出が求められることがあります。

部門別損益 経営意思決定に役立ってますか?

部門別損益が経営の意思決定に役立てばいいんです。

社会人向けのキャリアアップ講座を開催している会社を例に取りましょう。

年間売上高10億円台前半の会社です。

課題:
(1)講座内容に方針はなく行き当たりばったりの経営
(2)集客出来そうな講座を企画
(3)担当者が上司の決裁なく勝手に作成して受講者募集。
(4)募集講座ごとにかける広告宣伝費もバラバラ。
どの講座にどのくらいの広告宣伝費をかけたのか不明。
(5)どの講座がどの程度利益が出たのか誰も検証してない
また、検証できる体制になってない。つまり、PDCAができてない

よくある部門別損益は下の図の通りです。

色付きの部分が金額が大きい箇所です。

部門別損益

これでも悪くはありません。

上図から読み取れることの一例です

(1)営業系講座からは撤退した方が良いかもしれない
(2)もしかしたら営業系講座は、広告費をかければ収益源となるかもしれません。

たとえば、地域別損益で見ることが必要かもしれません。

地域別損益

 

大阪では儲かってないですね。

テコ入れするか、撤退を検討した方が良いです。

もちろんなぜ大阪では利益が出てないのか、原因を探る必要はあります。

原因例:
(1)大阪の気質にあってない講座を開催している
(2)営業が弱い
(3)そもそも大阪には自社のニーズがない

 

営業担当者別の売上でみるとどうでしょうか?

従業員別売上高

Aさんの営業方法にヒントがあるかもしれませんね。

BさんがAさんの仕事の方法を学習すれば、Bさんの成績があがり、

会社全体の利益になる可能性も十分にあります。

 

まとめ

 

【提案】
①原価管理・部門別管理会計の導入
②効果測定実施体制の構築
③コンビニ化(品質管理)。企画から募集、受講者アンケートまでの流れをコンビニ化・一定のルールを設ける。
つまり誰がやっても管理できる体制の構築。
④マーケティングの提案。企画のバクチ化を廃止する。

社会のニーズを把握し、安定して集客できる体制の構築(外部マーケティング会社を紹介)。

社長も何となく原因と改善策を理解してました。

社内でも改革した方が良いという空気がありました。

でも、私のような外部専門家からの提案がないと改革が進まないこともあります。

もちろん、自社で解決できることは自社で解決した方が良いに決まってます。

 

提案内容は理解しても、全てを短期間では実現できません。

まず事実(ファクト)を確認できる体制構築を勧めます。

 

幸い売上管理システムに、従業員別、地域別、講座別の売上データがすでにありましたので、

データは手元にあります。

excelのpivot(ピボット)テーブルを利用してデータを作りました。

 

今は、従業員別、地域別、講座別という切り口で売上データを見てますが、違う切り口でみた方が良い可能性もあります。

例えばも受講生の年齢別や男女比など、違う切り口ならもっと会社の業績を良くするためのデータがあるのではないか。

この点はPDCAを回すか、仮説を立てて、検証していくしか無いですね。

会計から会社の業績を伸ばすお手伝いはこのように地道な作業なんです。

 

PDCAサイクル

タグ

2013年12月12日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:売上拡大 経営計画

このページの先頭へ