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中小企業がPDCAを実現する方法

PDCAを回すにはまず事実確認を



企業がPDCAを回すにはまず計画を立てなければいけません。そのためには、月次決算を正しく行うことが必要です。なぜなら、月次決算を正しく行うことによって、会社の財務状況・経営成績がどうなのか、まずは事実を確認しなければ、計画が絵に描いた餅になってしまうからです。誤った情報に基づいた計画は、最初のスタート地点が誤っているだけではなく、会社のゴール(目標)が間違った方向に進んでしまうリスクもあります。なお、大企業の先端企業では週次または日次決算(それも連結決算!)ですが、中小企業では月次決算が1ヶ月以上遅れることも珍しくありません。PDCAを回して経営に活用するには、まずは月次決算から取り組みましょう。



月次決算を精度を高めるにはどうすればよいでしょうか?そのためには、(1)毎日の現金残高合わせや帳簿の入力、領収書や請求書といった証憑の整理(2)売上(売掛金)・仕入(買掛金)取引が発生主義で記帳できるようになることが大切です。ここまで発生主義で処理できれば、月次決算体制の8割ができたも同然です。


最初は発生主義の意味も分からないかもしれません。発生主義とは簡単に言うと、お金の出入りの段階で記帳するのではなく、物が動いた時に記帳する方法です。

もちろん、売上・仕入以外にも発生主義で処理すべきものがあります。主な項目を解説します

売上・仕入以外で発生主義により処理すべきものは4つ




(1)未払の経費を月末に計上する

現金主義では、広告宣伝費などの販売費や、一般管理費(家賃、リース料、電話料、水道光熱費、社会保険料など)は、実際に支払った月の経費に計上されています。
しかし、通常、発生した月と実際に支払う月にズレが生じるために、月次の損益に影響を与える経費等もあります。そのような経費等については、請求書や納品書、契約書などをもとに未払金や未払費用として、発生した月に計上します。


(2)年払いの経費月割計上する

労働保険料や固定資産税、損害保険料など年払いや特定の月にまとめて支払う経費や賞与の中には、特定月の経費が多額に計上されることで月次の損益に影響するものもあります。このような経費を月割計上(賞与は年間の見積額を月割計上)することで、発生額が平準化され、労働保険料の支払月や賞与支給月に費用負担が集中し、月次の損益が大きく変わるといったことを回避することができます。


(3)毎月、在庫を計上する
月初、月末の在庫を計上することで、毎月の売上原価と粗利益をつかむことができます。正確な月末の在庫を把握するには、毎月、実地棚卸を行うことが理想ですが、なかなか容易でないと思います。

そのため、予定原価率を用いて概算計上したり、棚卸の対象とする商品を毎月変えたり、金額の大きい商品に絞るなどの方法もあります。


(4)減価償却費の月割計上
建物・機械装置や車両などの減価償却費は、期末に一括計上している中小企業が多いと思います。年間の見積額をもとに12分の1づつ、毎月、月割計上します。
これによって、減価償却費の計上を平準化して、毎月の業績に反映させることができます。


事実確認をする副次的メリットとは?



特に月次決算を行い、月次試算表を銀行に提出することで、銀行との信頼関係も生まれます。特に在庫は重視してないかと思いますが、在庫も重要なのです。銀行では、多くの企業が在庫管理をきちんとしてないと思っています。商品在庫のが貸借対照表上通りの金額の価値があるかどうか、数量はきちんと管理されてるかどうか疑問の目を向けています。そこで、在庫をきちんと管理している。特に決算日基準で棚卸しをやり、棚卸を実施した証憑を銀行に提出すると融資を受けやすくなります。なぜ、融資を受けやすくなるのか、その理由は、別の機会に書くかもしれません。金融出身税理士の私のノウハウなので、ブログに書くことをためらっています。

月次試算実現に向けたステップ表



月次決算ポイント


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2014年9月12日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:売上拡大 経営計画

常識をくつがえすPDCAとは? 後編

前回は、PDCAの前編を紹介しました。
前回では、1ヶ月に一度のPDCAでは遅い、PDCAは1週間に一度回せという趣旨のことを書きました。



PDCAを回すにはエクセルでは限界がある



現状、多くの会社の経営管理は次のようなイメージだと思います。

現状のPDCAの限界


多くの企業は、制度会計における連結バッケージと併用してエクセルを用いた報告を親会社に行っていると思います。このような場合、グループ会社全体の意思決定資料、経営報告資料を作成する際に、エクセルによる手作業が非常に多く、経営企画部または管理会計の担当者がほぼ専任で経営層に報告、意思決定に資する資料を作成しています。このような場合、経営者の多くは意思決定に必要な資料が不足していると感じています(77%の経営者が意思決定に必要な資料が不足しているという調査結果もあるそうです)。



ではどうすれば良いのでしょうか?

グループ会社で統一する

結論はシステム導入は避けて通れません。システム導入例をみてみましょう。
(具体的な社名や事例は書けないので、概念図で許してください)

図表(1)
コード統一


図表(2)
販売システムと会計システム


図表(3)
配賦
(資料提供株式会社TKC)



例えば勘定科目コードや取引先マスターを世界共通にすることが考えられます。これにより、子会社独自の取引先かグループ共通の取引先で与信管理や購買調達でコスト削減交渉にも有用です。販売管理システムと会計システムの紐付きで、リアルタイムで業績把握することも可能となりす。在庫・工場の稼働率などが瞬時に分かります。この他にも費用の配賦をどうするか、グループ全体でスルーで損益を把握することが可能となります。実際、どのようにシステム要件をするかが極めて重要です。経営者の意思決定に資する資料を提供できるようになるのはもちろんのこと、現場の声も聞く必要があります。特に海外子会社に対して本社のシステムを押し付けるとトラブルの元になることもあります。この場合、主要子会社のみにグループ会社全体のシステムを導入するのも一つの方法かもしれません。



弊社が手がけた事例ではも2人の担当者が2日かけて作っていた経営管理資料が、わずか数秒で作成できてしまったという事例もあります。この効果は人件費の削減だけではありません。より有用な意思決定に必要な資料作成の可能性を秘めています。このようなシステム導入は、費用対効果ではないことも強調しておきます。経営者が意思決定に必要な資料に費用対効果の概念はありません。現在はビジネススピードが速くなっています。費用対効果では測れないのです。


結果として、システム導入により、意思決定が速くなったり、余剰在庫を抱えなくなり業績が上がることになります。したがって、収益増加、企業価値増加という効果は肝変えが得られます。


まずできることは何か?予算が無い会社へのアドバイス



一つの例をご紹介しましょう。まずは子会社の財務データのリアルタイムでの把握です(特に海外子会社)。
TKCのOBモニターというシステムを使うと、リアルタイムで仕訳情報が取得できます。取得した仕訳を加工し、何が事実かを把握した上で、グループ企業全体を見渡した意思決定を迅速に行うことが可能となります。料金はブログには書けないのですが、かなり安いです。



OBモニター導入による効果は、リアルタイムでの業績把握だけではなく、監査コストの削減につながります。会計監査人から海外子会社に質問された場合、従来は質問を海外子会社にメールで送付しても、時差の関係で現地子会社では翌日確認でした。さらに回答を本社に送付しさらに時差で会計監査人への回答が遅れます。1つの会計監査人からの質問に2営業日かかって回答することになります。これでは会計監査人の監査作業は進まず、監査コストに上乗せされます。そこで、OBモニターを入れるとリアルタイムで回答できるので、監査コスト削減につながるのです。これはあくまで副次的な効果です。



他にも予算が少ない場合でも私が提案できることはあります。この点は各社各様なので気軽に相談を受け付けています。中には、雑談レベルで、そんなこともできるんですか?と言われたこともありますし、私の方もそんなことに需要があるの?と驚くこともあります。






【参考】一般的なPDCAの概念図
pdca



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2014年9月10日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:売上拡大

常識をくつがえすPDCAとは? 前編

PDCAを実行するだけでは、不十分



先日、東芝のCFOの講演を聞きに行きました。聞いた内容は、世界最先端の企業では、月次でPDCAを回すだけでは不十分ということです。

PDCAとは、計画(Plan)、実行(Do)、検証(Check)、改善(Action)のサイクルを言います。つまり、中期経営計画や1年ごとの短期経営計画を立て(Plan)、計画を実行し(Do)、計画と実行結果の差異を分析し(Check)、次期の行動計画を立てます(Action)。PDCAの精度はともかく、多くの大企業や年間売上高10億円以上の中小企業では月次でPDCAを実行しているかと思います。

PDCAを月次では無く、週次で回すことが大切です。中には日次でPDCAを回している企業もあります。日次でPDCAを回しているのはパソコンの部品メーカーのような会社です。パソコン部品は1週間で1%価格が下落すると言われています。このように毎日のように部品価格が変わるような企業は1ヶ月単位でPDCAを回していたら、意思決定が遅くなるのです。

PDCA大企業のPDCA


なぜ、PDCAを1週間で回す必要があるか



PDCAを1週間で回す必要性は、ビジネススピードの早さです。例えば、札幌では在庫が余っているが、福岡では不足。名古屋では資金余剰だが、東京は資金不足で銀行借入を行う。このような経験をした会社はあると思います。私も会計監査をした会社で、いわゆる無駄がありました。もちろん、中には子会社からの資金を吸い上げて、親会社が資金繰りも一括管理し、資金の最適分配をしてる会社もありました(それもエクセルで!)。


PDCAを高速で回すメリットは次の通りです。

  1. 資金繰りで無駄が出ない。利息の削減
  2. 顧客の要望に素早く対応可能
  3. 在庫の圧縮
  4. 工場や営業の稼働率があがる

週次で高速にPDCAを回す方法とは?



まずは情報収集から始めましょう。意思決定に必要な情報はなにか?売上高なのか、在庫情報なのか、工場の稼働率なのか、会社により異なります。私のおすすめは売上高だけでも日次で把握することです。
売上高と言っても、様々です。店舗別、営業担当別、製品別、地域別などの売上データが取れることもあります。また、男女・年齢別にどの程度、売れたのかのデータも役に立つかと思います。


しかし、いずれは限界がきます。というのも、意思決定に必要なデータが細かすぎると、情報収集に時間がかかり、意思決定が遅くなります。また集計をエクセルに頼ると、集計ミスが生じます。PDCAを高速かつ、意思決定も高速で行うには、エクセルでは限界が来ます。


次回は高速でPDCAを回すための事例を紹介します


【参考】一般的なPDCAを掲載しておきます
pdca



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2014年9月8日 | コメントは受け付けていません。 |

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